中国電子決済サービス市場についての調査報告書

 2011年1月完成。

 

概要

1.中国電子決済市場の三つ代表的な成長点
中国経済の高速発展にともない、伝統決済業務から生まれた新たな決済手段の規模は急速に伸ばしでいます。その中に下記の銀行以外の業者中心に展開した三つ領域は代表的な成長点になっています。

  • 第三者ネット決済サービス:2010年の市場規模は1兆元の見込みで、五年間連続倍増しました。
  • プリペイドカード:2009年市場規模は8000億元、2010年年間は1兆元に超えると思われます。
  • 銀行カードアクワイアリング:中国国内においで銀行カードはすでに21億枚以上が発行されています。デビットカードは主な非現金決済手段として利用されています。クレジットカードの利用率の成長と共に、2009年は両者合計6.86兆元の消費規模になっています。

2.法律規制の整備より、電子決済市場新たな段階を迎える
決済手段・サービスの多様化が進む一方で、社会的インフラとしての重要性から、消費者保護や決済サービス事業の制度的環境整備、及び利便性・サービス向上を目的に関連法規の見直しも進められ、2010年9月、中国人民銀行による「非金融機構決済サービス管理弁法」が施行されています。同法において、銀行以外(資金移動業者)にも為替取引(=送金業務)が行えるようになり、また、これまで金融法律の規制対象外だった前述三種類の支払手段は規制対象に加えられました。これにより銀行以外の電子マネー事業者や携帯電話事業者、EC事業者、流通事業者、クレジットカード会社等の送金サービスへの参入が促進されることとなり、また、PayPalやWestern Unionといった海外で普及している送金サービスの中国に進出が加速することが考えられる等、電子決済サービスビジネスは現在、新たな段階を迎えようとしています。

本報告は、中国既存の電子決済業市場主体と新たに公表された関連規制を分析する上、中国決済サービス市場に参入する可能性、利点とリスクを分析して参ります。

 

 

第三者ネット決済サービス

1.概要

・ コンセプト
中国におけるネット決済チャンネルには各銀行のネット銀行経由の以外に、第三者のオンライン支払いサービス業者経由があります。第三者ネット決済サービス(中国:第三方支付)とは、銀行と売り手から独立し,売り手と買い手の間に決済サービスを提供することであります。
また、中国においては、クレジットカードが普及していなく、その代わり、デビットカードは主なカード決済手段になります。中国人民銀行のレポートによりますと、2009年12月までは中国国内にデビットカード累計発行は18.8億枚、クレジットカードは1.86億枚になります。インターネット上一般消費の支払いはネット銀行か第三者ネット決済サービスかを問わず、ほとんどデビットカードベースで行います。

・ ビジネスモデル
第三者ネット決済サービスのビジネスモデルとしては、①複数銀行のネットバンキング機能を一括で代行するネット決済代行モデルと②独自支払い機能(取引双方とも支払いサービス業者のフラットフォームにバーチャル口座開設が必要です)を有するPaypalモデルがあります。
①ネット決済代行モデルは、取引ごとに銀行やクレジット会社と買い手との間でネット決済を行うが、売り手との間では決まった期間(例えば、日次、週一回)で決済する。収入は売り手からの手数料です。
②Paypalモデルは、バーチャル口座へのチャージによって行われ、取引ごとに銀行やクレジットカード会社とのやり取りは必要としません。収入は取引双方のどちらかからの手数料です。

 

2.現状

 ・ 膨大な市場規模と目覚ましい伸び率
2009年の中国第三者ネット決済サービス市場規模(ショッピング取扱高ベース)は5012億元(約35兆円 1元=70円として),2010年は1兆元(約70兆円)の見込みになります。比べて同期に2009年日本のネット決済市場規模は2500-3000億円程度です。また2005年発足した業界は連続して五年間倍増しました。

・ 巨大な潜在市場
2009年オンラインショッピング取扱額の大きいな数の一方、社会消費財販売の総額に4.0%しか占めていません。且つその割合はほぼ五年間連続倍増した現状から見て、第三者ネット決済サービス市場は引き続き堅調に推移していくと見られます。

分類 運営特徴 代表企業 英語名 シェア
総合型 企業自身はECプラットフォームと大規模なユーザベースを持っている。支払い手段は多元化され、多い業界に適用されています。 支付宝 Alipay 49.61%
財付通 TenPay 20.01%
銀聯系 銀聯の子会社であって、特有の銀聯背景とリソースをもって、大額決済(航空やファンドなど)は強みです。またやりとりは国有企業のスタイルです。 銀聯電子支付 ChinaPay 4.38%
広州銀聯網絡支付 gnete.com 3.49%
革新型 ベンチャー投資より立ち上げて、新かな分野に鋭敏に開拓しています。 快銭 99Bill 4.35%
易宝支付 YeePay.com 3.87%
先駆型 早い時期に参入した企業であって、特定分野で安定に経営し、大部は黒字になっています。ただ革新に熱心しないことがあります。 環迅支付 ips.com.cn 3.40%
首信易支付 beijing.com.cn 1.59%
専門型 設立はより遅くて、特定背景を持って、特定の将来性のある産業に開拓しています。ただ単一の業界で、運営リスクもあります。 汇付天下 chinapnr.com 6.53%
盛大電子支付 SDA ePay  
外資系 国際大手決済会社の子会社であって、サービスローカライズと市場展開に行き詰まています。シェアはなかなか拡大できていません。 PayPal PayPal 0.53%
PSI PSI  
マイクロ型 市場に林立した数十社の中小決済企業は今激しくなった競争中に大きいな運営リスクと政策リスクに直面しています。    

 

3.今後の方向性
・ グローバル化傾向
ECのインフラとして、最近電子決済の国際連携傾向が強まる見通しとなっている。
まず、海外ブランド企業は次々に参入する見通しです。例えばPaypal の場合は2010年3月にPaypalは中国ネット国際貿易大手Alibabaと提携し、AliExpress海外決済サービスを提供します。同時に中国銀聯と提携し銀聯ユーザの海外ショッピング決済サービスを提供します。それは、海外中小企業中国向けの貿易は成長する背景のした、国際決済サービス業者の強みと思われています。または、国内企業も積極的に海外に伸ばしています。

・ 特定領域に浸透と新市場を開拓
ネット決済市場はネットショッピングのインフラとして大幅に成長していた一方、既存領域においてのシェアは固有10企業に98%を占めています。2010年に業者各社は積極にネットショッピング以外の市場を開拓しました。特に保険、ファンド、航空券予定業界にの堅調な推移しています。

・ モバイル決済は激しい競争に
将来に重要な市場と見通し、中国携帯キャリアと銀行業者は財布携帯事業の戦略提携は進めています。2010年に中国銀行と中国電信は広州で財布携帯業務と3G分割支払い提携合意しました、中国聯通、工商銀行、銀聯は財布携帯広州で財布携帯提携合意しました、また中国移動、浦東発展銀行は財布携帯提携合意しました。また、第三者ネット決済サービス業者も積極に各自のソリューションを提供しています。

 

プリペイドカード市場

1.概要
・ コンセプト
プリペイドカードとは、予め入金して積み立てておく形(前払い)で一定金額の価値を有するカード型の有価証券(金券)であります。
プリペイドカードは大きく分けて、開放式(Open Loop 第三者専門機構より発行、加盟店で利用)と非開放式(Close Loop小売りやサービス業者自行発行、使用は自社範囲に限られる)二つ種類があります。本報告の調査範囲について、非開放式カードを対象外にさせていただきます。

・ ビジネスモデル

立場 ニーズ プリペードカードのメリット
加盟店舗 集客 カードを発行することにより、集客効果が見込め、額面以上の買い物を期待できる。プリペイド機能を付けることにより、ギフトを贈られたお客がリピーターに育つ可能性もある。サーバ管理型のため、ポイントや割引サービスなどを柔軟に組み合わせることができ、優良顧客育成につながる。
販促 祝祭日に合わせたキャンペーンと連動して販促を実施できる。
また他店での販売やチャージを行うことにより、販路の拡大につながる。
カード発行者 キャッシュフロー 前受け金のためキャッシュフローの改善につながり、有効期限を設けることで退蔵益が期待できる。
消費者 贈呈 贈呈用のカードとして、好きな金額をチャージしてプレゼントする
両替 旅行者向けカードは即時に外貨両替機能を提供できる。
引合う ポイントやマイル、割引サービスなど簡易に利用できる。
福利 法人・政府公共団体向け、福利厚生・補助金向けの機能がある
社会 効率 サーバで管理するため、面倒な回収作業や集計作業を省くことができる。
財布携帯電話を利用することにより、財布を持ち歩かなくて済むレジでの会計スピードのアップ

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図: ビジネスモデル

2.現状
・ 分類
中国市場既存のプリペイドカードは発行者より大きく分けて汎用ギフトカード、交通/市民カード、流通系プリペイドカード、銀行系プリペイドカード四種類になっています。

分類 特徴
汎用ギフトカード 法人の贈呈、福利厚生、補助金向けの市場に狙って専門会社より発行
サービス業また大額消費に強い
新たな政府規制より市場再編は迫っている
交通カード/市民カード 地方政府の交通また厚生部門より発行、また支持
主に公共交通システムに利用される
一般小額消費に浸入しています、ただ政策規制のため進捗が遅い
また市民カード(公共料金、公共施設利用)に浸入の傾向は強い
一級都市は大部利用しています、中心都市は普及率はかなり高い
地域間の統合は進めている
中心都市の運営会社はすでに黒字に
流通系プリペイドカード 大手流通会社より発行、自社店舗からはじめ、グループ外に拡張
一般消費領域には強い、地元の加盟店数と質は圧倒的な優勢
銀行プリペィドカード 銀行より発行した銀聯マークのカード
巨大な流通・販売網、加盟店は国内156万店舗、海外は55万店舗
金融リスクがあるため銀行より発行は原則的に禁止され、グレー市場になっている
近年解凍の傾向は見られている

 

カード類型

カード名 発行枚数 発行総額 導入地区と一般消費加盟店数
汎用ギフトカード 商通卡 累計数億枚、再利用率は低い 年間50億元以上、累計総額100億元以上 北京1100店舗
スマートカード 累計1000万枚程度と推定 年間100億元以上、累計200億元以上 上海3000店舗
雅高E卡 固定ユーザ200万人以上と推定 年間10億元程度と推定 上海1200店舗
北京2000店舗
交通カード/市民カード 山東一卡通 発行状況不明ですが、省単位での市民カード発行の実験地 山東省各地区合計
1500店舗
羊城通(岭南通) 累計1800万枚 年間100億元程度と推定 広州と周辺五市、
加盟店数多い
北京市政交通一卡通 累計3000万枚 年間決済数46.3億件、金額100億元推定 北京、加盟店数少ない
上海交通一卡通 累計2400万枚以上 年間100億元程度と推定 上海、加盟店数少ない
流通系カード 聯華OK卡 累計1600万枚以上 年間100億元以上、累計200億元以上 上海市内1万店舗以上、周辺浸入
銀行プリペィドカード 中国銀行銀通卡 公表した統計データなし 公表した統計データなし 国内加盟店156万店舗
海外加盟店55万店舗
光大陽光旅行卡
深発展公益預付卡

*中国のプリペィドカード市場は統合統計データは有りませんので、上記データはマスコミより整理されます。

・ プリペィドカードの市場規模について
中国のプリペィドカード市場はまだまだ途上ですので、公表した業界の統計データはほとんどありません。下記データはインターネットから入手され、一部の信憑性を確認できません。
フランスプリペイドカード大手の雅高(Accor)の調査よりますと、2009年間プリペイドカード市場(調査範囲の要確認)の規模はすでに8000億人民元になりました、2010年は1兆元に超える見込みです。
またインターネットのデータより、交通カード市民カードの方は2000年から2009年まで、累計1.8億枚発行され、今年間新規発行は3000万枚以上で堅調に進めています。

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3.課題
・ 新たな政府規制より市場再編
近年は、関連法律規制が欠如するために、プリペィドカード特にギフトカード市場の大ブームに伴い、イシュアーと最終ユーザの不正取引より大きな社会問題と金融リスクは生じました。例えば①無記名とチャージ上限なし制度より、ギフトカードは中国都市圏主流の賄賂とマネーロンダリング手段になっています。②企業はギフトカードを社内福利として利用する場合、個人取得税の脱税手段になります。③イシュアー側前受金と退蔵益の不正利用(投資活動など)より大きな金融リスクは生じます。

中国人民銀行は2010年6月に制度的環境整備のために関連管理弁法を発行しました。これから、プリペイドカード市場も規制対象に加えられました。

 

銀行カードアクワイアリング市場

1.概要
・ 法律規定
中国における銀行カードアクワイアリングに関する法律規制は、中国人民銀行より1999年3月に発行した『銀行カード業務管理弁方』2010年発行した『非金融機構支付服務管理弁法』と中国銀聯より2009年6月に発行した『銀聯カードアクワイアリング第三者サービス機構管理弁法』また関連規定があります。

・ コンセプト
中国市場においての銀行カードとはデビットカードとクレジットカードといいます。両方とも銀聯マークをつけているので、銀聯カードの言い方もあります。また、中国内に銀行カード発行可能な機構は商業銀行のみになります。
銀行プリペイドカードは銀行デビットカードの一種類とします。
銀行カードのアクワイアリングとは加盟店に人民元また外貨の決済サービスを提供することです。ATMもアクワイアリングの手段ですが、本報告中に調査対象外にさせていただきました。

・ 市場規模 今後も高成長の見通し
①銀行カードの発行枚数と消費額は好調な成長が続いています。2009年中国銀行カードの年間消費総額は前年比73.8%増となり、1枚カードあたり年間消費金額前年比38.8%増となりました。また、2010年銀行カードの1回あたりの平均決済額は2.5万円で、日本人のクレジットカードの2.5倍であります。
②POS端末は現状不足であります。市場調査のデータより、2010年末まで、中国に金融POS端末は33万台になり、1台の金融POS端末にあたり、779枚銀行カードを対応しています。それに対して、2007年同データはアメリカ502枚、ドイツ80枚、フランス210枚、日本325枚となります。カード利便性向上のため、今後とも、加盟店急速拡大の見通しであります。

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2.現状
・ 業務分類 
アクワイアリング事業は、核心業務と非核心業務二種類に分けています。銀行以外の業者は非核心業務のみできます。また、銀行以外の業者は銀行アクワイアリング業務受託の形で参入します。

業務分類 業務詳細 銀行 銀聯商務 一般業者
核心業務 加盟店との契約締結 ×
加盟店に対する銀行カードの決済処理 ×
非核心業務 加盟店の開拓と管理
端末のインストールとメンテナンス
銀聯ネットワーク接続サービス

・ 加盟店手数料また配分の基準
下記法律規制より、POS端末による中国国内の銀行カードでの取引手数料率制限が規定されております。
1999年3月 中国人民銀行『銀行カード業務管理弁法』
2004年3月 中国人民銀行『中国銀聯入網機構銀行カード銀行間取引収益配分弁法

加盟店の業界 加盟店 手数料合計 イシュアーとアクワイアラーが同一業者でない場合の 手数料配分
イシュアー 銀聯 アクワイアラー
ホテル業、飲食業、娯楽業、旅行業 2.00% 1.40% 0.20% 0.40%
航空チケット、ガソリンスタント、スーパー業 0.50% 0.35% 0.05% 0.10%
他の業種* 1.00% 0.70% 0.10% 0.20%

 

・ 主要企業の分類とシェア 

分類 特徴 代表会社 POS端末(万台)
銀聯系 政策サポートより、銀聯はアクワイアラ50%のシェアを占めています。今端末数も、加盟店数も、従業員数も絶対的な優勢を持っています。 銀聯商務有限公司 114
北京数字王府井科技有限公司(北京大手) 1.8
銀行系 商業銀行の加盟店開拓は一部外部に委託していますが、自社より行う場合もあります。統計数字は入手できませんでした。 中国郵政儲蓄銀行 2.6
工商、農業、建設、交通など商業銀行 不明
非金融機構 金融業務受託サービスの形式で参入した非金融機構は特定な地域や業界に大きいなシェアを占めています。例えば杉徳は上海市50%北京市20%のPOS端末を所有して、業界No2になつています。 杉徳巍康企業服務有限公司(上海北京大手) 17
拉卡拉電子支付技術服務有限公司 4
北京宇信易誠信息技術有限公司(北京大手) 2.3
通聯支付網絡服務有限公司(広東省優位) 0.4
漢鑫商務科技有限公司(広東省大手) 不明

 

 

法律規制より産業再編


1.2010年に導入した「非金融機構非支付服務(決済サービス)管理弁法」及び実施細則
・ コンセプト
非金融機構非支付服務(決済サービス)とは、非金融機構が送金者と受領者の間に仲介業者として次の一部またはすべての通貨金移動サービスを提供することといいます。

    1. 第三者ネット決済サービス
    2. プリペイドカードの発行、受理、運営、管理
    3. 銀行カードアクワイアリング
    4. 中国人民銀行が確定したその他決済サービス業務

・ 抜粋

    1. 非金融機構は決済サービスを提供するには、中国人民銀行から「決済業務許可証」を取得し、決済機構になりべきであります。許可を取らず、決済業務や決済業に等しい行為をするのは禁止であります。既存業者は2011年9月1日まで許可を取得すべきであります。
    2. 「許可証」を取得するには、最低資本金、投資者、上級管理者、金融安全など条件を満たさなければなりません。
    3. 発票規制:前受金にたいして、レシート(発票)の発行はできません。手数料のみレシート(発票)の発行可能です。
    4. 前受金規制:前受金は必ず商業銀行にて専用口座に保管されることです。
    5. 外商投資決済機構の業務範囲、海外出資者の資格条件及び出資比率等は、中国人民銀行が別途定め、国務院が許可します。

2.産業再編
最低資本金や技術など入場条件より、中小業者の退出傾向が強く、2011年業者の合併・買収が主流になると予想されます。